シラー『人質』との比較で探る『走れメロス』の魅力(中学2年 国語)

 12月11日(木)、中学2年生の国語では、太宰治「走れメロス」の魅力について考える研究授業を行いました。まず作品の構成や背景を確認し、物語を深く読み取るための視点を共有しました。

 授業の中心では、「走れメロス」の原型とされるシラー「人質」との比較を行い、登場人物の設定や展開の違いに着目しました。太宰治がどのような意図をもって改変したのかを考え、ワークシートに根拠を整理しながら意見交換を進めました。

 生徒たちは、妹の結婚式の場面、悪夢から覚めて再び走り出す描写、そして最後にメロスとセリヌンティウスが再会し、殴り合いながら友情を確かめ合う印象的な場面に注目しました。こうした場面から、二人の友情がどれほど深く力強いものとして描かれているかを読み取り、作品の魅力としてまとめることができました。文学を丁寧に読み解く姿勢が育まれた充実した授業でした。