左手のピアニスト 瀬川泰代様 公演会

 10月2日(木)、左手のピアニスト・瀬川泰代さんが本校に来校され、ご講演とピアノ演奏をしてくださいました。瀬川さんは、高校生の頃に右手が思うように動かなくなり、病名もわからず苦しんだ経験や、一時はピアノをあきらめかけたことを語ってくださいました。その後、「左手だけでピアノを弾こう」と決心し、海外で努力を重ねたことで現在の演奏者としての道を切り開いたことを、写真やスライドを交えてわかりやすくお話しくださいました。また、左手のピアニストとしての活動を、両手で弾くピアニストと同じように広めていきたいという思いもお聞きすることができました。

 演奏では、オペラ『ランメルモールのルチア』より《アンダンテ・フィナーレ》、《blue star》(岡村星見)、そして「タピオラ幻景 作品92」から《風のトッカータ》(吉松隆)などを披露してくださいました。どの曲も瀬川さんの思いが込められており、左手だけとは思えない豊かな音色と表現力に、子どもたちは息をのんで聴き入っていました。また、瀬川さんのピアノに合わせて、本校の児童生徒が「赤い屋根の家」を歌う場面もありました。

 演奏後には、児童生徒からの質問にも丁寧に答えてくださり、左手で弾くときの工夫や演奏活動への思いをお話しいただきました。瀬川さんの前向きな姿勢とあたたかいお話、そして力強い演奏は、子どもたちに大きな感動と勇気を与えてくださいました。